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「線路のない時刻表 全線開通版」
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2011.11.24 Thursday 21:52
国鉄時代,地方には数々の路線が建設され,政治家の「我田引鉄」と呼ばれる時代がありました.次々と路線が開通したものの,採算度外視のため赤字路線が多数増え,国鉄は大赤字に至りました.国鉄再建が画策され始めたころ,当時進行中であった建設工事はいったんストップしてしまいました.
今回ご紹介する「線路のない時刻表」は,工事がストップしてしまった路線を,出来るだけ完成後のルートに忠実にたどりどんな所なのかを紹介する著作です.特筆すべきは,計画路線図等から宮脇氏自身が作成した運行時刻表の予想が載っていること.時刻表と同じ形式を取っており,欄外には新規駅の駅弁まで掲載されています.走る特急,急行には仮の名前が付けられています.たとえば北越北線(現在の北越急行),実際に走っている特急は「はくたか」ですが,宮脇氏の予想では「ゆきぐに」,「しんせつ」.
本著作では7路線を取り上げていますが,5路線(智頭線,北越北線,三陸縦貫線,樽見線,宿毛線)は第3セクターという形で開通し,2路線(瀬戸大橋,青函トンネル)はJRに引き継がれました.“全線開通版”とあるのは,建設ストップ当時の取材ののち,開通した後の様子も実際に乗車したどっているパートが追加となっています.中古本として入手する場合は,“全線開通版”がタイトルに入っていれば本書と同じ,入っていなければ開通後のエピソードなしの旧版ということになります.
予想ダイヤがなかなか面白い.国鉄が存続していれば,地域別会社間の壁もなく,案外予想通りの列車が走っていたかもしれませんね.
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Comment
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2011/11/25 12:32 PM posted by: S係長なるほどね。新規開業路線は目立ちますが、計画だけで終わってしまう路線もある訳ですからね。
鉄道とは奥深いものですね。
柔道、剣道、茶道、華道などと肩並んでますよね。
んっ?国道、市道か? -
2011/11/25 9:09 PM posted by: J係長計画のみというのは京急にもありました。「京急武山線」とのことで、戦時中に衣笠駅から武山駐屯地まで計画していたようで土地も確保していましたが現在は市道となっています。トンネルの雰囲気はまるで鉄道のトンネルです。今度写真でご紹介しようと思います。
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2011/11/25 9:33 PM posted by: MsaS係長様
廃線になるのは寂しいことですが,計画が進められて頓挫したのは虚しいですね.この本で紹介している線は全て開通しているのでよいですが・・・.いろんな楽しみ方(?)があるのだと思いました.「道」は確かに奥深いです. -
2011/11/25 9:37 PM posted by: MsaJ係長様
京急にもあるのですね.三崎口より先は知ってますが,衣笠??本線にはつながる予定だったのでしょうか?
紹介楽しみにしています. -
2011/11/26 10:05 AM posted by: ちろわんここれは面白そうな本ですね。
早速、探してみます(・∀・) -
2011/11/26 8:37 PM posted by: Msaちろわんこ様
コメントありがとうございます.
旅行記,廃線跡めぐりetc.はたくさんありますが,未成線をたどりダイヤを予想する本は私も今まで見たことがありません.きっと楽しめると思いますので,是非ご覧になってください. -
2011/12/04 9:55 AM posted by: ちろわんこ図書館で蔵書検索したら発見しました。
早速借りてみます! -
2011/12/04 9:58 AM posted by: Msaちろわんこさん
見つかりまして、何よりです。鉄道好きならサクサクと読めてしまうと思います。お楽しみくださいませ。 -
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2012/01/14 1:17 PM posted by: ちろわんこの雑記帳今日は、同じチームの同僚に助けられ、仕事を代わりにやってもらったちろ。 定時をちょっと過ぎたくらいの時間で退勤することができた。 いつもウォーキングをしに行く体育館の夜間開館まで時間がた...